世界の終りに恋の歌を
そして、人魚の姫の身体を抱きしめました。

「何をする、放せ!!」

もがく人魚の姫を王子は強く抱きしめます。

「お静かに、姫君」

王子は人魚の姫を静かで落ち着き払った優しい声でこうなだめました。


「私も、姫君のことを想うと胸が苦しくなり、姫君が頭から離れず、気分が揺れました。

その証拠に私の心臓の音を聞いてください、早鐘のようでしょう?」

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