世界の終りに恋の歌を
人魚の姫がその耳を王子の心臓に押し当てると、確かに、早鐘のようにドクドクと音を立てています。

「姫君が私に呪いをかけたのですよ」

「私は呪ってなどいない!!」

人魚の姫が顔を上げると、王子のその美しい顔がそばにありました。

「いいえ。私が姫君を呪ったように、また、姫君も私を呪ったのです。その愛らしい姿と美しい声で」

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