世界の終りに恋の歌を
王子がすぐそばで人魚の姫に微笑むと、人魚の姫の頬がバラ色に染まりました。

王子は、静かに言葉を続けます。

「私を殺しても、この呪いは解けるでしょう。でも、その後はきっと寂しい気分になるでしょう。こうして寄り添っている方が幸せな気分ではありませんか?」

人魚の姫に王子は尋ねました。

「そうね、……幸せな気分だわ。でも……」

人魚の姫の視線が困ったように辺りを泳ぎます。

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