世界の終りに恋の歌を
「でも?」

王子が聞き返すと、ややあって、人魚の姫が言いました。

「お前が私をだましているのかもしれない。人間はずる賢いからだまされないようにとお姉様達が仰っていた」

王子は人魚の姫の手首を持つと、その人魚の姫の手に握られた銀のナイフを自分の方へ向けました。

「では、だまされたと思ったら、いつでもこの銀のナイフで私の心臓を貫いてください」

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