世界の終りに恋の歌を
「ねぇ、どうしてもダメ? 私の国に来れない?」

人魚の姫が王子の腕にすがります。

王子は、その手にそっと自らの手を重ねました。

「少し、考えさせて下さい」

そうして、人魚の姫が悲しむのを見たくなかった王子は、はっきりとは断りませんでした。


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