世界の終りに恋の歌を
愕然とした表情で王子は弟王子を見下ろしました。

「そんなことをすれば、大きな争いになる」

王子が言うと、

「それでも、国は守れるし、上手くいけば豊かにもなる」

弟王子は言い返しました。

「これ以上豊かになど、だれも望んでいない。それに、争わずとも国は守れるはずだ」

王子の血が外套を赤く染めていきます。

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