世界の終りに恋の歌を
「こうなることを皆が望んだんだよ」

弟王子が王子の身体から剣を抜き取りました。

「さよなら、兄さん」

そして、ぐらりと揺れる王子の身体を崖へと軽く押しました。

崖を落ちながら見た弟王子の顔は醜く歪んでいました。

王子は、ああ、これが人魚の姫が言っていた怖くて醜い人間の姿なのだと思いました。

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