世界の終りに恋の歌を

「はい。あなたと共にありたいという私の願いが叶ったのです」

王子が目を細め優しい口調で語ります。

人魚の姫は、うっとりと頷き王子の言葉に耳を傾けています。

「姫君、私はとても疲れています。凍るような冷たい海の底でしばらくゆっくり休みたい」

王子がこう言葉を続けると、

「では、冷たくて気持ちがいいサンゴの美しい上等な部屋をお前のために用意しよう。ゆっくり休めるように、お前のために私が歌を歌ってあげるわ」

人魚の姫がこう言いました。

「それは、光栄です」

王子は満足そうに頷きます。

「では、行きましょう。案内するわ」

王子の抱いて進もうとする人魚の姫に、王子が頼みました。