60代の少女
「はー・・・。いちちゃんは、今帰りか?」
「うん」
「じゃ、元博、お前、彼女を送っていけ」
「―――は?」
またしても突拍子のない師の言葉に、元博はそんな返事しか出来なかった。
「だから、いちちゃんを無事に家まで送り届けろって言ってんだよ。つーか今日はもう帰れ、お前」
「ちょ・・・待ってくださいよ。どうしてそうなるんですか?じゃ、ってなんですか。じゃ、って」
確かに急ぎで仕上げなければならない作品もないし、そもそも今はスランプと言うに近い状態ではあるが、少し無理やりすぎやしないか。
抵抗する元博に、師はにべもなかった。
「・・・どうして?おまえなぁ・・・こんな可愛い娘を、家までエスコート出来るんだぞ?健全な大学生なら、少しは喜べよ」
「・・・そういう問題じゃないですよ」
「それにさっきみたいなことが、またないとも言い切れないだろうが。そうなったらお前、責任取れんのか?ん?」
四五六は葉巻の先を元博に向けて、言った。
反論のしようもない、正論だ。なぜかこういうときに限って、普段正論の全く通じない師は、正論を持ち出してきたりする。
「うん」
「じゃ、元博、お前、彼女を送っていけ」
「―――は?」
またしても突拍子のない師の言葉に、元博はそんな返事しか出来なかった。
「だから、いちちゃんを無事に家まで送り届けろって言ってんだよ。つーか今日はもう帰れ、お前」
「ちょ・・・待ってくださいよ。どうしてそうなるんですか?じゃ、ってなんですか。じゃ、って」
確かに急ぎで仕上げなければならない作品もないし、そもそも今はスランプと言うに近い状態ではあるが、少し無理やりすぎやしないか。
抵抗する元博に、師はにべもなかった。
「・・・どうして?おまえなぁ・・・こんな可愛い娘を、家までエスコート出来るんだぞ?健全な大学生なら、少しは喜べよ」
「・・・そういう問題じゃないですよ」
「それにさっきみたいなことが、またないとも言い切れないだろうが。そうなったらお前、責任取れんのか?ん?」
四五六は葉巻の先を元博に向けて、言った。
反論のしようもない、正論だ。なぜかこういうときに限って、普段正論の全く通じない師は、正論を持ち出してきたりする。