60代の少女
「それって・・・画家として有名になりたいってことか?」
「・・・それも、あるかな」
「・・・も?」
元博は思わず眉根を寄せた。無意識にいちの顔を見る。
「・・・言葉の・・・あやだよ。そ、それよりも、元博だって、画家として有名になりたいとか思うでしょ?」
「・・・別に。正直、あまり思ったことはない」
「・・・それって、もう有名だからってこと?」
多分、半分はいちの皮肉だろう。元博は大学に入ってこのかた、数々のコンクールで賞を貰ってきた。今注目の若手画家として、この世界では華々しい位置にいる。
「そんなんじゃなくて。俺は、自分の描きたいものを描けたらそれでいい」
事実そうだった。コンクールに出した作品も、ただ自分の描きたいものを描き、たまたま選ばれた、と言うだけの代物だった。中には、自分ではまだ満足の行かなかったものもある。
「・・・それも、あるかな」
「・・・も?」
元博は思わず眉根を寄せた。無意識にいちの顔を見る。
「・・・言葉の・・・あやだよ。そ、それよりも、元博だって、画家として有名になりたいとか思うでしょ?」
「・・・別に。正直、あまり思ったことはない」
「・・・それって、もう有名だからってこと?」
多分、半分はいちの皮肉だろう。元博は大学に入ってこのかた、数々のコンクールで賞を貰ってきた。今注目の若手画家として、この世界では華々しい位置にいる。
「そんなんじゃなくて。俺は、自分の描きたいものを描けたらそれでいい」
事実そうだった。コンクールに出した作品も、ただ自分の描きたいものを描き、たまたま選ばれた、と言うだけの代物だった。中には、自分ではまだ満足の行かなかったものもある。