60代の少女
「描きかけの作品、どうする?閉まっておける場所とかある?」
「ここにはないな。―――・・・一二三さんに店の倉庫を借りるか」
「とりあえず、元博の記憶で2年以上手をつけてないのとか、完成したのとかは、片付けちゃっていいよね?」
「・・・それは出来れば、師匠に聞いてもらいたいけど・・・まぁ、俺判断で言わせてもらえれば、いいんじゃないか?2年手をつけてないのは、多分描きかけだってことすら忘れてると思うし」
そんな会話をしながら、山になった作品をてきぱきと片付けていく。
一二三にかけあって、店の倉庫に放り込んだ作品は数知れなかった。一二三に「親父にどやされないか?」と聞かれたけれど、いちが「整理整頓できない四五六さんが悪い」と主張し、結局アトリエに残ったのは、ここ1年ほどで描いた十数枚になった。
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