60代の少女
「一二三さんは、師匠の実家に行かないんですか?」
「親父と行くと疲れるんでな」
「…何言ってやがる」
四五六が元博の横で、葉巻をふかし始めた。
それを一瞥して、一二三は言う。
「…ま、というのは冗談で。俺にはまだ店の営業があるからな。大晦日に店を閉めてから行くわ」
「…じゃ、あと頼んだぞ」
「気をつけてな」
四五六は息子に軽く手を振って、車に乗り込んだ。元博もそれに続く。
四五六の運転する車は、快調に高速道路をとばしていき、約4時間半の道のりをなぞって、昼頃には故郷・会津若松へと到着した。
中心街を抜けて、古い街並みが露になる通りの一角へ、四五六は車を停めた。
「ちょっと待ってろ」と、元博に声をかけ、師は「笹本問屋」と暖簾のかかった古民家へ入っていった。
「親父と行くと疲れるんでな」
「…何言ってやがる」
四五六が元博の横で、葉巻をふかし始めた。
それを一瞥して、一二三は言う。
「…ま、というのは冗談で。俺にはまだ店の営業があるからな。大晦日に店を閉めてから行くわ」
「…じゃ、あと頼んだぞ」
「気をつけてな」
四五六は息子に軽く手を振って、車に乗り込んだ。元博もそれに続く。
四五六の運転する車は、快調に高速道路をとばしていき、約4時間半の道のりをなぞって、昼頃には故郷・会津若松へと到着した。
中心街を抜けて、古い街並みが露になる通りの一角へ、四五六は車を停めた。
「ちょっと待ってろ」と、元博に声をかけ、師は「笹本問屋」と暖簾のかかった古民家へ入っていった。