60代の少女
田舎で過ごす年越しは、優雅なものだった。
実家での正月ものんびりしたものだったが、日本の風情のある中での年越しは、また違う時間の過ぎ方を感じる。
たまに玄関先の雪片しを命じられたが、慣れないながらも経験のないことはなかなか楽しい。喜々として雪片しに取り組む元博の姿を、笹本兄弟は物珍しそうに眺めていた。
「やっぱり若い人間がいると、助かるな」
八七は殊のほか元博を気に入ったようで、仕事を任せる代わりに、よく美味しい物をご馳走してくれた。
食事に出される郷土料理「こづゆ」は、元博も気に入った一品だった。
大晦日には一二三も合流し、除夜の鐘を聞いて年が明ける。
「また今年もお前の世話をするのか」という師に、「俺が師匠の世話してるようなもんじゃないですか」と悪態をつくと、今年最初の笑い声が響いた。
そんないつもより少し賑やかな年越しを迎えて、2日が過ぎた頃。
実家での正月ものんびりしたものだったが、日本の風情のある中での年越しは、また違う時間の過ぎ方を感じる。
たまに玄関先の雪片しを命じられたが、慣れないながらも経験のないことはなかなか楽しい。喜々として雪片しに取り組む元博の姿を、笹本兄弟は物珍しそうに眺めていた。
「やっぱり若い人間がいると、助かるな」
八七は殊のほか元博を気に入ったようで、仕事を任せる代わりに、よく美味しい物をご馳走してくれた。
食事に出される郷土料理「こづゆ」は、元博も気に入った一品だった。
大晦日には一二三も合流し、除夜の鐘を聞いて年が明ける。
「また今年もお前の世話をするのか」という師に、「俺が師匠の世話してるようなもんじゃないですか」と悪態をつくと、今年最初の笑い声が響いた。
そんないつもより少し賑やかな年越しを迎えて、2日が過ぎた頃。