60代の少女
「・・・珍しい・・・」
明日は槍でも振るのではないだろうか。
掃除をそこそこに、元博は先ほどまで師が向かっていたテーブルの上にある、スケッチブックを覗き込んだ。
ほとんど使った形跡のないスケッチブックには、2人の男女が描かれていた。
イーゼルに立てかけられた絵に向かう青年と、その傍にマグカップを置く少女。
少女はにっこりと微笑んでて、青年は少し口元を緩めているだけだが、それでも笑っているのが判る。
この2人を、自分は見たことがある。
なぜなら、青年は自分、少女はいちにそっくりだったから。
明日は槍でも振るのではないだろうか。
掃除をそこそこに、元博は先ほどまで師が向かっていたテーブルの上にある、スケッチブックを覗き込んだ。
ほとんど使った形跡のないスケッチブックには、2人の男女が描かれていた。
イーゼルに立てかけられた絵に向かう青年と、その傍にマグカップを置く少女。
少女はにっこりと微笑んでて、青年は少し口元を緩めているだけだが、それでも笑っているのが判る。
この2人を、自分は見たことがある。
なぜなら、青年は自分、少女はいちにそっくりだったから。