60代の少女
四五六は軽く頭をかいた。
「・・・でも描きたかったんだよ。幸せそうな、お前たちってやつを」
ああ、そうか。
今、判ってしまった。
「・・・なに、泣いてんだよ」
「・・・泣いてません」
たった一筋、頬を伝った熱いものを、感じる。
本当に、この人は素直じゃない。
でも、自分がこの人を師に選んだ理由が、なんとなくわかった。
元博は、スケッチブックを乱雑に掴むと、ページを破り捨てた。
「ちょっ・・・お前、勝手に何してんだ!」
四五六が、珍しく慌てて元博からスケッチブックを取り上げる。
「恥ずかしいんでしょう?見れないようにしただけですよ。・・・それに」
少し口を尖らせた四五六の姿が、何だかおかしい。
「絵にしなくても、俺は十分幸せですから」
「・・・でも描きたかったんだよ。幸せそうな、お前たちってやつを」
ああ、そうか。
今、判ってしまった。
「・・・なに、泣いてんだよ」
「・・・泣いてません」
たった一筋、頬を伝った熱いものを、感じる。
本当に、この人は素直じゃない。
でも、自分がこの人を師に選んだ理由が、なんとなくわかった。
元博は、スケッチブックを乱雑に掴むと、ページを破り捨てた。
「ちょっ・・・お前、勝手に何してんだ!」
四五六が、珍しく慌てて元博からスケッチブックを取り上げる。
「恥ずかしいんでしょう?見れないようにしただけですよ。・・・それに」
少し口を尖らせた四五六の姿が、何だかおかしい。
「絵にしなくても、俺は十分幸せですから」