俺様執事のち、二重人格。
《月》
「…な様。月様。」
「わわっ!」
かっ、顔近い…
綺麗な顔が…。
水上爽汰がいる…。
あっ、そっか。
執事になったのか。
妙に冷静な判断をしてる
自分に苦笑…。
ってか私、倒れたんだ…
え…?
ここまで
どうやって
運搬されたの、私?
急に顔に血が上る。
爽汰さんがひざまずく。
「月お嬢様、
大丈夫でございますか?
いきなり倒れられたので
とても心配致しました。」
「あっ、
こちらこそすいません。
重いのに。」
「お嬢様、
敬語などお辞めください。
私のことは
呼び捨てで構いません。」
「は…うん…。」
多少、水上爽汰の勢いに
押されてでも、
初めてこんなに長く
男の人と会話出来ている
自分に驚き…
「あっ、制服のままですね。
御召し変えなさいますか?」
「…うん。さすがに
制服のままはね…。」
「…手伝ってやろうか?」
「……うん?」
爽汰、変貌。