俺様執事のち、二重人格。
「月…お母さん、
もう一度女としての幸せを
歩みたいの。
というか、歩ませてくれる人
見つけたの。
だから…結婚していい?」
離婚したお父さんが
作った莫大な借金を
お母さんが
一人で返済しきったその日、
食卓でそんな一言が
飛び出した。
…私の口からは、
麦茶が飛び出した。
「ブッ!!ゲホッ…嘘っ!?」
「ほんと…いい?
天音さんて言う人で…」
「前にご飯に連れて行って
くれた人でしょ??
そっか、お母さんも
幸せになりたいよね…。
お母さんが後悔しないほうに
進んでいいよ。
私、天音さん好きだし」
お母さんは、色々と一人で
頑張ってくれてた。
だから、そんなお母さんが
幸せなら
私はそれで良かった…
…はずなんだけど……
うん。それでお母さん、
どこで財閥の社長なんか
拾ったのかな?
ってか…
財閥の社長が婚活してるのも
気になるけど…?
私が財閥の跡取り娘っっ?
一気に、上流階級の
ファーストレディ?
そんなの無理!!
有り得ないでしょっ!?