俺様執事のち、二重人格。
「あ゛っ…お前、雅弥!!」
「爽汰…知り合い?」
あの爽汰が眉間にシワ…。
「…はい。
…認めたくありませんが、
幼なじみでございます。
月様、お気をつけ下さい。
コイツ
女の子に手が早いので。」
「おいっ、
失礼じゃんか~!!
…俺は女の子っていう
性別が好きなだけだよ―。」
…確実に危ない、コノ人。
「ってなわけで、
よろしくな、月チャン。」
差し出された手…。
「…あっ、あの私…」
男恐怖症なんですとは
言えなかった…。
仕方ない…爽汰の幼なじみ
なんだもんね…
握手するしか…ないか。
「…よろしくお願いします。」
警戒しながら、
手を差し出そうとすると、
雅弥くんの手が爽汰に
払われた。
そんで、私は
瞬く間に爽汰の腕の中。
男の人に抱き締められたの…
初めて…
お父さんと小3の徒競走の
1位くらいしか記憶にない…
「雅弥。せめてお嬢様には
執事らしくしろ。
あと…だめ、
これ俺の。」