俺様執事~TRADE KISS!【短編】


絶句した私の後ろから、母がパタパタとスリッパを鳴らしてやってきた。



「いらっしゃい。

ちょっと杏奈、中へお通ししなきゃダメじゃないの。

さ、どーぞ」



母は私を押しのけ、にこにことしていた。



「有難うございます。

ではお邪魔いたします」



キチンと頭を下げ、礼儀正しくしているその状態からは、さっきの言葉は空耳なのかと思わせる。


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