*― リ ト ル―*
ちょっと!何?「どんくさい女」って!!

そっちからぶつかっておいて、それはないんじゃないの?!

しかも、こっちは素直に謝ってやってんのに!



「ちょっとアンタ!そっちからぶつかっておいて、それは無いんじゃない?!」

「は?お前がよけないのが悪いんだろ?!」

「なっ!」



なんて自己中ッ!!!



「俺、急いでるから!」



男はそう言って、また走りだそうとした



「ちょっと待ったぁ!!」



あたしは急いで男を引きとめた



「あぁ?なんだよ?」

「これ!↓↓」

「はぁ?・・・あっ」



あたしが指を指したのは鞄。

見事にあたしのキーホルダーとアイツのキーホルダーが絡まっていた。




「これ、解きなさいよ...」

「・・・んなもんこーすりゃいいんだよ!!」

「はっ!?」


ぶちッ!!


「きゃあッ!!」


アイツは鞄を思いっきり引っ張ってあたしのキーホルダーをちぎって走って行った。


地面に綿をだして転がるピンクのくまの体・・・


頭はアイツのキーホルダーに絡まったまま・・・

達也に貰った、大事なキーホルダー...



タッタ・・・



あたしはくまの体を握って学校に走っていった。
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