パセリな彼女がついた嘘
無人の預かりBOXからワイシャツを4枚抱えて、袋に入れる。

ひとり暮らしにおいて、学生の頃と明らかに違うのは、
限りあるワイシャツのクリーニングだけはきちんとすることだ。

僕は同じく駅前の本屋でビジネス書と文庫本を1冊ずつ買い、
どこかでランチをしながら瑠璃子さんからの連絡を待つことにした。

荷物は、いっぱいだった。

ロータリーにはバスが入れ替わり、立ち代り、
タクシーが列を成している。

家族連れやお年寄り、若いカップルが皆、
平日よりも穏やかな表情で駅を歩く。

僕は街路樹が落とした落ち葉を踏みつけたり、
蹴ったりしながら、入る店を探していた。
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