パセリな彼女がついた嘘
ディスプレイには【ユミ】とだけカタカナで表示されていた。

「もしもし」

『遅くにごめん、起きてた?』

「うん、大丈夫」

僕はそう言って体を起こした。

この時間は勤務時間であるはずの彼女の声は、
いつも通り弾んでいたけれど、
その向こうはとても静かで、密室だと推測できた。
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