パセリな彼女がついた嘘
『そ、お金より大切なものに気付きましたの、私』

どこかで聞いた事のある台詞を自慢げに言い、更に続けた。

『トヨエツみたいな男はね、
自分の嘘がバレてないと思ってるところが一番罪なの』

「と、言いますと?」

社会人口調で煽ってみた。

『自分の部屋に連れ込まない男、
トイレや喫煙所にケータイを持って行く男、
事前に日にちを決めて会おうとしない男』


僕は自分の行動を振り返っていた。
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