パセリな彼女がついた嘘
朝から続いた打ち合わせ地獄を終えると、
21時を回っていた。

デスクに戻ってケータイを開き新着を確認すると、
須藤から着信があり、ひとまずは帰り支度に取り掛かる。

「豊田、行くか?飲み」

後ろから名前を呼ばれて振り返ると、
同僚と後輩の女子社員数人がこちらを見ていた。

「悪い、今日ちょっとダメなんだよね」

「え~またコンパですか?」

苦手なんだよな、この手の甲高い声、と思いながら、

「いや、ただの飲み会だよ」と言って視線を戻した。

「じゃあお先」と「おつかれさまで~す」、
が重なって聞こえ、僕は右手を挙げてそれに応えた。
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