パセリな彼女がついた嘘
「私、高校生の時、不倫してたの、塾の講師とね。
それが噂から両親にばれて、母親と喧嘩になって。
塾はやめるけど彼とは別れないって言ったら、
父親が会社から帰ってきて、初めて頬をぶたれたの」

僕は黙って彼女を見つめていた。

「力ずくで家に軟禁状態、父親は塾に連絡して、
講師を辞めさせるって言ったの、それが怖くて、
別れるって約束したの」

「それで？」

「でも、別れなかった。
そしたらある日、部屋に父親が入ってきて、
書類をばら撒かれて怒鳴られた。
興信所に依頼してたの」

僕は勢いよく減っていく彼女のワインを継ぎ足すことを躊躇した。

すると彼女は自分で注ぎいれて言った。

「そんな父親が、自分には愛人がいて、
離婚したいって言うのよ？ぶたれた痛みがバカみたい」
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