パセリな彼女がついた嘘
会社を出て駅に向かう街の中。

週末のそこは明かに普段よりも熱を帯びていて、
行き交う人の声や身振り手振りも平日より大きく、
店を照らすライトも3割り増しで強く光って見える。

金曜日は比較的遅くなる僕にしては、
早く仕事を片付けたつもりだったけれど、
道行く人の赤らめた顔を見ると、
それは特別なことではないことが分かる。

17時の定時で仕事をあがり、酒を飲める人種と、
終電間際が当たり前となっている人種では、
僕の住む街と雪乃のいる街くらい、温度差があると思う。
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