パセリな彼女がついた嘘
僕は彼女のほうを向いて、
今までの中で一番強く、彼女を抱きしめた。

そして、大きく息を吸って、彼女の香りを、脳に記憶させる。

彼女と同じシャンプーを使い続ける事は、
罪になるのだろうかと思った。

しばらくの沈黙の後、彼女は、

「ずっと、好きだった」

と僕に止めをさした。

僕はその言葉をジュラルミンケースにしまって鍵をかけ、
来世まで凍結保存したいと思った。


涙が、こぼれた。
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