パセリな彼女がついた嘘
「ソースもたくさん種類があって、
毎回迷うんだよね、私、明日は5時にはここ出るから、
悦司、ひとりで行ってみて」

「そうだね、行ってみる」

そう言ってビールを飲み干した。

「今度帰ったら久しぶりに、
あのお店のオムレツが食べたいなぁ」

どこの店の事かは僕もすぐに分かって、

「あそこさ、前に行ったら見つけられなかった」

と言った。

「えーずるい」

「だから行けては、ないよ」

と、目的の未達成をもう一度伝えた。
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