パセリな彼女がついた嘘
「お店の名前、なんだっけ、
確かカタカナだった気がするんだけど」

雪乃はそう言って、ドリンクメニューを僕に差し出した。

僕はメニューをみながら少し考えたけれど、
店の名前に検討はつかなかった。

「私、前もこれ考えて、確か思い出したの、
でもまた、忘れちゃった、なんだっけなぁ」

そう言って彼女もジョッキを空にする、
僕はメニューを彼女に渡して言った。

「どっちにしても、もうないのかもしれないね」


けれど僕も、その店にまた、行きたかった。
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