パセリな彼女がついた嘘
僕には大学時代からつきあっている
雪乃と言う一つ年下の彼女がいて、

須藤には社内恋愛で半年ほどつきあっている
年上の彼女がいた。

航空会社に内定していた雪乃の配属が
沖縄に決まった時、大学を卒業して、
知らない土地に勤める彼女には心配こそしたが、

結婚願望のない僕は、同棲をせずにすむことに、
正直肩の荷が降りた感覚もあった。

言い方は悪いが刑の執行猶予判決をもらった心地がした。

そんな僕に雪乃は『信じてる』とだけいい、
必要以上の束縛も、義務を強いることも、演技もしない。

そのバランスこそが一度は僕が、
身の潔白を誓った女の持ち合わせる最大の魅力であり、
それは【コンパ】で出会う異性の誘惑で陥落するものではない。


面倒はごめんだ。

そうなると決して多くはないこの夜のような、
フランクな関係を築ける場は、貴重だった。
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