パセリな彼女がついた嘘
コンビニの前でタクシーを降りると、
涼しい風がほろ酔いの頬を心地良くなでた。

すると同時に尿意を催し、コンビニに入り、
レジにいた若い男性の店員に向かって、

「お手洗い借ります」と言った。

「どうぞー」と無機質な声を聞きながら、
ふと沢木さんの声が恋しくなった。

ケータイを開いて時間を確認すると、午前1時を過ぎていた。

会社帰り、ほぼ毎日のように彼女を見かけていたことから僕は、
彼女の勤務時間を推理し、午前0時と見込んだ。
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