パセリな彼女がついた嘘
須藤が立て続けにあくびをするので解散して帰路に着き、
飲み足りない僕はいつものコンビニで缶ビールを買った。

会計をしていると、
私服に着替えた瑠璃子さんが通用口から出てきて目が合った。


偶然の頻発は、
それを運命と錯覚させる恐れがある。


先に店の外に出た彼女に追いつくと、
彼女は振り返って、

「今日は水じゃないんですね」と言った。

「こっちのほうが店の売り上げになるでしょ?」

僕がビニールを少し持ち上げて言うと、
微笑みながら彼女は前を向き、
空を見上げてゆっくりと歩き出した。
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