パセリな彼女がついた嘘
「今週末はどちらか予定ある?」

「そうねー、聞いてみる」

そう言って彼女はバッグから
ケータイを取り出して開いた。

僕はその姿を黙って見つめていた。

「日曜日にしない?」

彼女はディスプレイを見ながら言った。

「誰に聞いたの?」

僕が不思議に思って聞くと、
彼女はケータイをパタンと閉じて言った。



「お天気予報、
初デートは晴れているほうがいいでしょう?」


もう少し酔っていたら、僕は確実に彼女を
このままどこかに誘っていたと思う。
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