パセリな彼女がついた嘘
まるで神様がその道を阻むようにして、
半年以上振りではあったが行き慣れたはずのその店を、
僕は何故か見つけることが出来なかった。

大通りから路地に入り、
1本目の十字路を越えた辺りにあったはずの喫茶店。

土日によく通っていたから、
営業時間に間違いはなかった。

まさか雪乃に聞くほど神経の鈍ってはいない僕は、
諦めて道の反対側にある
オープンカフェのランチに行こうと思った。

そのことを告げると瑠璃子さんは頷いてから言った。

「カフェと喫茶店の違い知ってる?」

何か揚足を取られたような気分になった僕が
黙っていると、

「答えてみて」と言い、初めて僕の真横に並んだ。

「これは謎々?それともただのクイズ?」

僕が言うと、

「その違いみたいなものよ」と返された。
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