パセリな彼女がついた嘘
メニューを一人で決められない雪乃と違って、
瑠璃子さんは「私はこれ」と潔く店員にオーダーした。

曇天の日曜日、僕たちは初めてのデートで、
お互いの好きな映画や、好きな作家について話した。

それらについては意見を述べていた僕が、
食べ物の話で専ら【相槌係】になると、彼女は笑った。

「オムライス以外には興味がないの?」

と言われ、

「ローリエもローレルもいまいちよく分からない」

と答えた。
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