パセリな彼女がついた嘘

──── 電車降りたら冬の匂いがして、ちょっと寂しくなった」

少しの沈黙の後、さっきよりも幼げな声で彼女は、

『悦司のバカ、会いたくなるじゃん』と言った。


「じゃあ今日は夢にお邪魔しようかな」

少しサービスしすぎたな、と思うとすかさず、

『怪しい』

と返された。

僕はペットボトルをテーブルに置いて、

「怪しい?なんでなんで」と聞く。

『悦司が甘い言葉を言うときは、何か隠したいとき』
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