パセリな彼女がついた嘘
見たくないもの、気付きたくないものに気付いてしまってから
目を伏せてもそれは消すことのできない記憶として残る。

僕は怖い夢を見ているような感覚に陥り、
恋に不安はつきものであることを改めて知った。

朝は始まりのはずなのに、
男女のそれは大概が夜の続きだ。

この期に及んでそんな朝の訪れを、
裏切りを認めたくない僕は。

彼女が目を覚ます前に着替えを済まそうと、
タバコを消してリビングに向かった。

そしてそのまま出社することを考えたけれど、
帰り際、エレベータでデートだと言うことを
否定していない自分を思いだした僕は、一度帰ることに決めた。
< 79 / 166 >

この作品をシェア

pagetop