パセリな彼女がついた嘘
大学2年の春。

新入生を目当てに開かれるサークルの飲み会。

他の新入生に遅れ、
ギャル雑誌から抜け出したような友達に連れられて、
居酒屋の長いテーブルの隅に恐縮して座る彼女を見つけた。

今よりも0.5は視力のいい当時の僕は、
すぐさま彼女の目の前に席を移動した。

同じ学部の須藤はそれを見て、

「人事部長、さっそく青田買いですか」

と冷やかしたけど、
僕はテーブルにあるお絞りを奴に投げつけて、
彼女に話しかけた。

一通りの世間話をした後に、例の質問をした。

その答えに、僕は、
彼女以外への身の生涯潔白を誓おうと思ったのだった。


その日、僕は他の子にも同じ質問をしたけれど、
皆、答えはアイドルだったり、イケメン!と言った。

なかには性格重視という子もいたけれど、

『センパイかっこいいですね』なんて、
とろんとした目つきで言われると興醒めした。
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