パセリな彼女がついた嘘
その時初めて僕は、彼女の顔をきちんと正面から見た。

とほぼ同時に、

「もしかして気付いてないの?トヨエツでしょ?」

と彼女は言い、持っていたハンカチを右手で振り回した。


その顔に見覚えのある僕は、記憶を巡らせる必要もなく、
まるで新聞の勧誘と気付かずにインターホンにでてしまった時の様なため息をついた。




勿論、心の中で──
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