美容師な彼氏

「お待たせいたしました」


ふわっと明るい笑顔で来たのは担当の城崎祐太さん。

自分で顔が赤くなるのが分かった。
「あ、はいっ」

今日の城崎さんも完璧すぎる程かっこいい。

「シャンプー台へどうぞ」

そのままシャンプー台へ移動した。

「かゆいところはございませんか?」

キリっとした、でも優しい声で城崎さんは言った。

「…はいっ」

心臓がうるさいくらいに鳴っている。

シャンプーが終わり大きな鏡の前に座った。
ビニール製の合羽みたいなものを体にふわっとかけて首の裏でマジックテープでとめた。

「今日はどんな感じにする?」
私の髪の毛を触りながらいつものように鏡越しに聞いてきた。

「城崎さんのおまかせでっ!」
私もまたいつものように答えた

「またかあ~どうしよっかな♪」

少し困ったように笑った。
その笑顔にきゅんとしてしまう。

「長さは?」

「城崎さんのすきな感じにっ!」

「弱ったな~」

はにかみながら私の髪を触る。

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