ギア・ドール

『キラ会いたかった・・・君がボクを助けてくれたとき、本当に嬉しかった。

こんな姿になっても、君は平気で命を賭けてくれた。

だからこそ、ボクはそんな君に全力を尽くしたかった。

・・・戦争をなくしたい・・・泣きながらすがってきた君を見て、ボクは決めたんだ。

この世界から戦争をなくそうって・・・。

なのに・・・すまない・・・。こんなところで、名も知れないギアにやられてしまった・・・。

ごめん・・・キラ・・・君の願いを叶えられずに・・・。

だけど、まだ諦めてない・・・まだ修理さえ、すればボクは戦える・・・戦ってみせる。

・・・戦争をなくそう・・・キラ・・・君のために、この世界からありとあらゆる兵器を壊して・・・戦争をなくして見せよう・・・。』


 ・・・それだけ口にすると、弁財天の右腕が少し動いたような気がした。


「なっ!」


 海人の口から思わず漏れる驚いた声。


 ・・・・・だが・・・次の瞬間。


 ・・・・弁財天の右手は、肩から外れて地面に落ちる。


 格納庫内に響く轟音。


 こんな状況になっても、動こうとする・・・・・戦おうとするなんて・・・・・。


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