ギア・ドール
「まるで・・・狂人・・・・。」


 アルクの口から漏れる感嘆の言葉・・・。


 自分も思う。


 ・・・・・・・・でも、この機体は・・・・私を知っている。


『どうして?』


 私は、パソコンに文字を打ち込む。


『・・・どうして・・・だって・・・それは・・・君が望んだこと・・・。』


 返ってくる疑問に浮かんだ文字。


 私が聞きたいことは、そんなことではない。


『あなた誰?』


『・・・・え?』


『あなたは、誰なの?私、あなたなんて知らない。そんなことも頼んだ覚えもない。・・・教えて、あなたは誰なの?』


 私には記憶がない・・・。


 いったい、何をやっていたのか・・・。


 どうして、記憶を亡くしたのか・・・。


 何も覚えていない・・・。


 弁財天を生み出したのは私なの?


 私が、この化け物を生み出したというの・・・・・?


 教えて・・・弁財天・・・・。


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