ギア・ドール

「!」


 始まりは、1つの轟音。


 ・・・・・・皐月が起動した・・・・・・・。


 考えなくても分かった。


「行くよ。キラ・・・大丈夫。俺が守ってあげるから。」


 決意の言葉と同時に、私の手を引っ張る鈴蘭。


「うん。」


 それが、聞けただけでも、私としては十分・・・。


 私たちが部屋の扉開けて、外に出た瞬間、ざわめきが聞こえた。


 後輩たちが、外に出ているのが見える。


 ミンナ・・・順当に逃げてくれよ。


 願いながら私も鈴蘭に引っ張られる形で施設の出口に向かって走る。


 遅れて、施設内にエマージェンシーコールが鳴り出した。


 緊急事態にのみに鳴る、『エマージェンシーコール』


 生まれて始めて聞いた・・・。


 けっこう・・・うるさいもんだな・・・。


「まて!!お前たち、どこに行く?」


 喧騒と騒音が交じり合って、声すらもかき消されそうになる脱出劇の途中。


 後ろから、教官に呼び止められたようなきがした。


 しかし、確かめるわけには行かない。


 私たちは、ここで振り返るわけには行かないのだ・・・・。


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