ギア・ドール
・・・・・・・・・私の耳から、音が消えた・・・・・。
・・・・・・・世界が・・・・・やけに、ゆっくり動いているように見えた・・・。
・・・・なんで・・・いつまでも、地面につかないの?
私は、空中に漂いながら、必死に鈴蘭の姿を探す。
・・・・いた。
その顔は、満面の笑み・・・。
・・・・どうして・・・?・・・・あなたは死ぬんだよ・・・・?
「キラ・・・愛している・・・。」
音のない世界でそんな言葉が聞こえたような気がした・・・。
次の瞬間、落下するギアの前に立ちはだかるように、構える一体のギアが見えた。
黄土色の影・・・・・小さなギア・ドール・・・・
・・・・・・皐月・・・・・。
「ケィ君・・・・」
こんなところで・・・・そんなボロボロのギアで・・・・立ちはだかって・・・・
・・・・・・・無駄だよ・・・・・・。
・・・・「K」・・・・。