ギア・ドール
「鈴蘭・・・やめて・・・私は、そんなことを願ったわけじゃないよ・・・。鈴蘭、お願い・・・もう、やめて・・・。」
いつの間にか、声には嗚咽が混じっていた。
彼を助けるつもりだった。
助けて、それからスラムに持って言って、彼の脳みそをアンドロイドに移植させるつもりだった。
それがかなわなくても、戦争の道具にだけはさせたくない・・・それだけを祈っていた。
祈って、そのために頑張っていたのに・・・。
「やめてー!!」
私の叫びむなしく、鈴蘭の破壊活動は続いた。
戦争をなくすため、この世に存在する全ての兵器を破壊するため・・・。
ただただ、嗚咽と悲鳴だけが、コックピットの中で響き渡った。
それから先に起こった光景の記憶は、私には・・・ない・・・・。