ギア・ドール
「!?」
瞬間、海人の目に映ったのは、方膝をついている真っ白い巨大なギア・ドール。
方膝をつき、顔を垂れているようなこじんまりした姿ながらも、その大きさは隣にいる菫機の肩まであるところから、機体の大きさが伺える。
ざっとみたところ12メートルといったところだろうか。
右手には巨大な剣、左手にはマシンガンが握られている。
見たことのない・・・おそらく新型であろうギア・ドール。
だが、海人たちの目に映ったのは、そんなことよりも・・・。
「まったくの、無傷?」
思わず、声に出た。
もちろん厳密に言うなら、その機体にも弾痕や、無数の切り傷を見ることができる。
しかし、どれも致命傷には程遠い・・・。
この激戦区の中でその程度の傷で済んだこともさることながら、戦闘が終結してからすでに2時間が経過していながら、未だにこの場所から動かないことは逆に不気味さをかもし出していた。
「うん・・・まさに、ギア・ドールの幽霊・・・。」
菫の言葉
まさに自分も同じことを考えていた。
ジン爺さんの言葉が脳裏によぎる。
・・・・ギア・ドールの幽霊・・・・。
こんな形で、目にしようとは・・・。