―嘘つきオトコ―
「タツ~!!」
次の日、あたしはタツの家の前で大声を出していた。
だって、チャイムを何回鳴らしても出てこないし…。
まだ寝てるとか?
「あら?エナちゃん、どうしたの」
しばらくタツを呼んでると、後ろにタツのお母さんが立っていた。
両手にスーパーの袋を持ってるから、買い物にでも行ってたのかな。
「あの、タツがなかなか出てこなくて」
「あら…、タツは朝早くに学校行っちゃったわよ?」
「嘘!!あ、ありがとうございました」
「ごめんね~」
バカタツ!!
ケータイの時間を見ると、もう授業が始まっちゃう時間。
タツのせいで遅刻決定みたい……。