【短編】甘い強引彼氏。
光春?
あたしでも呼んだことない名前をっ。
いや、呼ばなかったのはあたしなんだけど……
「あ、もしかして邪魔だったかな?」
「ったく、邪魔だよ。美津江」
美津、江……?
相田さんが城島君のことを名前で呼んでたことよりも、
城島君が相田さんのことを名前で呼んでたことのほうが、ショックが大きかった。
あたしだけだと、思ってた。
それは、勝手な勘違い。
「じゃぁ、あたしはこれ―――」
相田さんが帰るのをあたしはさえぎった。
「あ、大丈夫です。もう話は終わったんで」
嘘。
終わってない。
「え、おい華」
あたしは城島君を無視して、帰った。