【短編】甘い強引彼氏。

あたしは泣きながら、屋上へ向かった。

錆付いた音とともに、肌に触れる風。


「あ……」

ついすっとんきょな声が出てしまった。

だって、屋上に

「相田さん……」

がいたんだもん。


「あなたは、光春の彼女さんの、沖浦さん?」

ズキッ―――

光春って、呼んでるんだよね……

「はは、今はどうかな?」

苦笑い。

だって、ほんとに彼女なのかな?って。

「相田さんのほうが、すごくお似合いですよ。あたしなんかより、城島君と楽しそうに話すし、変な噂立ってるし」


よっぽど、あたしなんかより、合ってると思う。


「沖浦さん、なにか勘違いしてない?」


え?


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