虹色パウダー
「すごーーーい!!」
「だろ?」
10分ほどの練習。
真っ暗な中、公園の街灯がふたりを照らす。
涼太が桜子に向かってボールを蹴った。
桜子はそれを受け取った。
「そのボール、やるよ」
「いいの?」
目をキラキラ輝かせた桜子。
予想以上の展開に、僕の胸も躍る。
「ここで練習する時、また持ってきて。それまでお前に預けてていいか?」
お、お、お前って!!
お前って言ったぞ!!
女子は好きな男子からの『お前』に弱いって聞いたことがある。
「も、もちろんです!!」
ほら、また敬語になっちゃった。